噂
こんにちは。
今朝は畑仕事の帰りにローレンシアちゃんが会いに来てくれたので、
(とてもビックリしたけど)
一緒にお話ししてきました。
「この前のパン、ウィアラさんに聞いたけど、ルーカス君が作ったんじゃないんだって?」
「あ、うん、言いそびれちゃって…」
「早とちりしちゃった!言うタイミングなかったよね、ごめんね!」
「大丈夫だよ、言わなかった僕が悪いしさ」
「ね、今度はルーカス君が作ったいむいむパン食べたいな!」
「が、頑張るよ!」
「それで、本題なんだけど…、」
誘われたのは旧時代の坑道跡。
なんだか強そうな名前だけど、ローレンシアちゃんにいいところを見せるチャンスです。
ロ、ローレンシアちゃんと2人きり…!
なんだか肩に力が入って、結局奥までは行けませんでした。
「…ダメだなぁ…僕は…」
ここで名誉挽回するべく、ヤーノ市場へ直行。
「あ、あの、いむいむパンに必要な材料って何ですか…!」
よし。頑張るぞ!
僕はもしかしたら、主夫に向いているのかもしれません。
いむいむパンはすぐに作れました。
それから仲良しのマルチェロ君に神殿に呼ばれて行くと、
「君がローレンシアのこと気に入ってるのは知ってるんだよ…ただ、君が今、独身女子の間で噂されてるんだけど、そのうちの1人が、君に会いたいってうるさいんだ」
「僕の噂…?」
「旅人で久々にかっこいい子が来て、しかも帰化したから是非話したいってみんな言ってるんだよ」
…確かに、国民になった途端2人の人に話しかけられました。
「うーん…」
ヤニック君の方がかっこいいけどな…。
「とりあえず会うだけ会ってくれないか。本当にうるさくて」
「…わかったよ」
ラヴィニアさんは神殿のすぐ外にいました。
「わー!本物だー!初めまして!ラヴィニアです♪」
「初めまして」
「ちょっとみんなに自慢してきますね♪それじゃ!きゃーー!♡」
彼女は足早に去って行きました。
「……苦手だなぁ…」
道を歩いててもあんまり話しかけられないけど、そうか…僕は陰で噂されているのか。
なんだかちょっと、いやな気持ちです。
はやくローレンシアちゃんに、いむいむパンを渡しに行こう。