収穫祭
こんにちは。
ヤニック君が帰化してくれました。
「やっぱベッドがふかふかなのってポイント高いよ、その日のうちに決断したよ」
「ベッドふかふかって、僕も思った」
「船の中のかったい寝床なんかもう懲り懲りだしな」
本当に良かった。
そして今日は、初めての収穫祭です。
自然の恵みに感謝…僕がいつも水をやっている植物の種たちも、自然の恵みなんだよな。
フェルタ様…だっけ。
ありがとうございます。
ブラブラと王国内を散歩していると、マトラファイターを片手に歩くマテオ王子を見つけました。
王子っぽくない発言だよなぁ。
あ、ローレンシアちゃんだ!
最近毎日、ローレンシアちゃんは僕に会いに来てくれます。
いむいむパンの催促かな…?
「おはよう、ルーカス君!」
「ローレンシアちゃん、おはよう」
「え?た、多分…空いてるんじゃないかな。練習試合の相手を探してるの?」
もちろんオッケーです。
ローレンシアちゃんは精一杯斧を振りかざしてきます。
ブンッッ
「わっ!!」
「あはは、ルーカス君、どこに振ってるの!おもしろーい!」
「…っわざとじゃないんだよ!笑った仕返しだ〜!」
結局勝敗の埒があかなくて、残った体力の差で僕が勝ちました。
「はー!良い汗かいた!ありがとう!それじゃあね♪」
「あ、あのさ…!」
勢いに任せて背中に声をかけてしまいました。
{◆恋人を作ろう!}
脳裏にあの紙が浮かびます。
「どうしたの?」
「あ、いや、」
「なぁに、そんなこと?ふふ、そうね♪」
…僕は本当に意気地なしだ…。
「いむいむパンでもくれるのかと思った!」
「あ!あるよ!作ったんだ!」
「お腹空いてたの?」
「動いた後ってお腹空かない?んー♪おいしー♪ルーカス君、ウィアラさんの所で働けるんじゃない?」
「お姉さんの料理は格別だよ…」
自分の弱さにいてもたってもいられなくなって、僕はヤニック君を食事に誘いました。
「わ!金の粒じゃん!ウィアラさんすげー!」
僕には導きの蝶が入っていました。
「"去る者は日々に疎し"?どういうことだろう」
「言えなかったんだろ?言いに行けっていう暗示だったりしてね」
「そんなことあるわけ…」
「ま!とりあえず、お互い初めての収穫祭、楽しもうぜ!オレはマトラ釣ってくる!キングマトラ釣るぞーー!」
「…去る者は日々に疎し…か」
外に出ると出店をやっていたので、明日からの朝食を調達しました。
早く色んなものを作れるようになって、いつも腹ペコのローレンシアちゃんに食べてもらいたい…。
僕の頭の中は朝から晩までローレンシアちゃんだ。
明日、畑仕事が終わったら、ローレンシアちゃんのところに行こう…